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(左)古代ローマの遺跡の中で最も保存状態がよいオランジェの古代劇場。       (右)ヨナス・カウフマン主演の「カルメン」。
音楽祭
コレジー・ドランジュ
古代劇場で愉しむ夏の夜
 ヨーロッパの夏は、音楽祭シーズン。ザルツブルグ、バイロイト、ヴェローナ、ルツェルン、エクス・アン・プロヴァンスなど、各地で由緒ある素晴らしい音楽祭が行われ、世界中からメロマン(音楽愛好家)が集う。南仏オランジュで開催される「コレジー・ドランジュ」も、世界屈指の人気音楽祭だ。
 19世紀中旬にまで歴史をさかのぼる音楽祭。その舞台は、紀元1世紀に古代ローマによりに作られた、壮大な石造りの劇場。8600席を擁する広大な劇場は、建設当時の姿をほぼ完全なままに残しており、歴史的価値も非常に高い。抜群の音響のよさを誇り、その質は、この劇場でパフォーマンスを行う歌手やオーケストラの面々から高く評価されている。
 ほぼひと月に渡り、毎年2本のオペラ、1~2本のコンサート、1~2本のリサイタルが上演される。7月7日~8月4日にかけて開催された今年の目玉は2本のオペラ。7月には今をときめくヨナス・カウフマンが「カルメン」のドン・ジョゼを熱く切なく歌い上げ、8月には巨匠ロベルト・アラーニャが「イル・トロヴァトーレ」をとうとうと歌い上げ、世界屈指の2人のテノールの競演となった。
 夏の夜空は、21時を過ぎてようやくその色を青からピンク、そして紫へと変える。開演は21時半前後。ローマ人が築いた石の劇場にオーケストラの音色が沁みるように響き渡り、観客がコンサートやオペラに吸い込まれていく。ふと見上げる空はいつしか藍に染まり、夏の大三角形をはじめとする星々が瞬く。
 最高の音響を誇る古代劇場と夏の夜空。NYやパリ、ロンドン、ウィーンといった音楽都市では体験できない、自然と歴史の魅力を感じながら堪能する音楽に包まれるひとときは、一生忘れない思い出になるだろう。
 来年の開催は、7月9日~8月6日。「蝶々夫人」と「椿姫」というイタリアオペラきっての切ない恋物語の傑作に加え、ヴェルディの「レクイエム」が注目。ガーシュイン&バーンスタインへのオマージュコンサートやリリックコンサートなどもあり、今から来夏の夜が楽しみだ。

●コレジー・ドランジュ
http://www.choregies.fr
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