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時代を読む――原田武夫 第18回
他人と違うことを堂々とする勇気
昔、私が外務省に入省した頃には、「食事マナー研修」というのがあった。どこから費用を捻出したのかは知らないが、都内の超高級ホテルでフレンチのフルコースを頂きながらバトラーの方々からお作法を学ぶのだ。実に楽しい研修だった。その時、同期の一人が、少しだけ意地悪い質問をした。
「 外側からフォークやナイフを取るのは分かりました。しかし万が一、間違った順番で取ってしまったら、どうすればいいのでしょうか?」
「これはまた意地悪な質問を」と皆がクスクス笑いながらバトラー氏を見ると、彼は動じることなくこう言い切ったのである。
「そんな時には『これこそが正しい作法だ』といった顔をして平然と食べ切ればいいのです。誰も何も言いませんよ」
 あれから20年近くの月日が経って思うのだが、全くもってこの答えは正しい。世間には明らかに2種類の人たちがいる。「枠組みを創る人」と「与えられた枠組みを守る人」だ。前者はその立ち居振る舞いがそのままルールとなり、これを後者が必死にまねをしていく。
 結局、何が正しいかは前者が全て決めることになるので、そこに正誤などないのである。要するに堂々と「これがルールだ、何が悪い」と気張っていれば、何も問題はないというわけなのだ。
 最近、「世界史の根源的な勢力」の一員から突然、呼び出しを受けた。こう言うと派手な高級スーツを身にまとった、見るからに金持ちそうな西洋人男性にリゾートへでも招かれたように思うかもしれない。「ユダヤ人」「フリーメーソン」といった単語が浮かぶかもしれない。だが、そんな人々は、実のところ使用人に過ぎないのが本当の世界史なのである。そこで根源的な勢力は女性であれば、サンダル履きに白いスパッツといった風情で登場したりする。
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