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時代を読む――原田武夫 第24回
「仁侠」と「礼」、そして日本人の使命
「高貴なウソ(noble lie)」という英語表現がある。人心を統べるためには時にウソもつかなければならないという意味だ。日本語で言うならば究極の「必要悪」といったところだろうか。
 このところ金融資本主義を延命させようとする米欧の統治エリートたちによる「高貴なウソ」があまりにもひどすぎるように感じてならない。例えば1月22日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は「これからユーロ圏各国の国債を買っていく」と高らかに宣言した。いよいよ米国、我が国に続いて量的緩和に踏み切るというわけだ。ユーロは暴落し、マーケットは大騒ぎとなった。
 そもそも「共通通貨ユーロを導入するには厳しい財政規律をクリアしなければダメだ」というルールだったはずだ。だが、量的緩和が始まったことにより、このルールは事実上反故(ほご)にされた。本来ならばこのルールが守られるからこそ、ユーロは価値を保ち、安心して使えるはずなのに、である。「デフレ対策だから仕方ない」と叫ぶドラギ総裁の不敵な笑いが忘れられない。
 これに驚いたふりをした米国の統治エリートたちの動きも面白い。私は昨年(2014年)秋にモントリオールで開催された米州国際経済フォーラムに出席した。壇上の一人として最も目を引いたのが、サマーズ元米財務長官だった。ランチの場で講演をした同元財務長官は一度聴いたら忘れられない濁声(だみごえ)でこう叫んだのである。
「米経済は堅調だ。公的セクターに少々債務の問題があるが、大丈夫だ。シェールのおかげでこのまま順調に発展していく」
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