PAGE...|
時代を読む――原田武夫 第44回
ピロールで日本と世界を立て直す
 先日、念願の福井訪問を実現することができた。何せ高校生の自分が級友たちと「青春18きっぷ」で旅行をして以来のことである。あれから約30年も経ったのかと思うとまずは感慨深くなる。もっとも今回は「センチメンタル・ジャーニー」のために福井まで出向いたわけではないのだ。無論、明確な目的があった。「ピロール農法」を現場で見学するためだ。私たち現代日本人の生活はあまりにも忙しい。3食食べられればよいほうで、時には2食、しかも全部がコンビニエンスストアで安物を買って食べるといった人たちも大勢いるのが現実だ。腹が減ると「コンビニ」に駆け込み、味の濃い食材と安いアルコールを買い込むのである。
 だが、英語で“You are whatyou eat."と言うのである。要するに「食べたものそれ自身があなたそのものだ」ということなのだ。粗雑な食べ方で、しかも化学調味料が満載の食べ物ばかりを食べていると、おのずからそれにふさわしい自分になってしまう。臓器が溶かすことのできない化学物質は着実に体内にたまり、私たちの肉体を蝕(むしば)んでゆく。それでも放っておくと、やがて自然(じねん)が私たちを物理的に淘汰し始める。要するに「病気」になる、「老化」して、最後は「死亡」するのだ。とても単純なことなのだが、どうしても私たちは忙しい日常の中でこのあまりにも単純な原理原則を無視してしまうのである。その結果、「アッ」と気づいた時には、時既に遅しなのだ。
 しかもこれが我が国では「民族単位」で生じている現象なのだから目も当てられない。食育は基本中の基本だというのに、家庭科でせいぜい初歩的なところを学ぶだけである。ましてや成人教育の中ではややカルトじみたものを除くと、科学的根拠や社会的な意義が十分に担保された食育が行われているとは言い難いのだ。その結果、私たち日本人は着実に蝕まれている。「民族そのもの」がやられてしまっているのである。
PAGE...|
LINK
STYLE
時代を読む――原田武夫 第10回
>>2014.1.14 update
STYLE
時代を読む――原田武夫 第12回
>>2014.3.10 update
STYLE
時代を読む――原田武夫 第16回
>>2014.7.11 update
STYLE
時代を読む――原田武夫 第7回
>>2013.10.15 update
STYLE
時代を読む――原田武夫 第61回
>>2018.4.22 update

記事カテゴリー