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時代を読む――原田武夫 第60回
インバウンドビジネスという罠
今、我が国で「インバウンドビジネス」が盛り上がっている。とりわけ地方創生という呼び声は高らかなものの、その実、全くうまくいっていない我が国の地方経済にとっては、切り札とされている感がある。だが、こうした現実を見て、私はたまらなく嫌悪感と違和感を覚えてしまうのである。
 最近、東京の夜の街を行くとカラフルな装束を身にまとった外国人たちが、ゴーカートを公道上で乗り回しているのにしばしば出くわす。バイクと同じような貧弱さであるにもかかわらず、ヘルメットもかぶらず、しかも低速走行に爆音である。交通渋滞が自分たちによって起きていることなど全く気にもかけない様子であり、我が物顔なのだ。
 ところがそれを眺めている日本人はというと、とてつもなく寛容なのである。どんなにうるさくても文句は言わない。むしろほほえましく手などを振ったりもしている。
 それでもまれにしかめっ面をしている向きもいるが、決して「こら! うるさいぞ!」とは怒鳴らないのである。「英語で言わないと通じないのではないか……」といった遠慮を感じる。
 「外国人排斥こそが過去の過ちだ。1億2千万人もいる我が国の人口に比べれば外国人観光客など、その数はたかがしれている。日本在住外国人も数はわずかだ。何も目くじらをたてる必要はないのであって、それこそ外国人排斥という過去の遺産にとらわれた発想なのではないか」
 そう、お考えになる読者も大勢いることであろう。だが、私の目からすれば、それこそ実に甘い発想なのである。なぜか。
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