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時代を読む――原田武夫 第63回
我が国に向かうグローバルマネーとその「狭き出口」
我が国では今、とにかく「インバウンド・ビジネス」である。政府の掛け声倒れであった「地方創生」ではなく、我が国の地方経済は次々にやって来る外国人観光客が落とすカネで潤うところは潤っている。「これまで20年近く閑古鳥が鳴いていた商店街にヒトが戻ってきた」、あるいは「大型客船で中国人観光客がやって来ると町中の店で品物が飛ぶように売れてなくなってしまう」といった嬉しい悲鳴がしきりに聞こえる。 
 グローバル社会においてヒトだけが動くということはあり得ない。鉄則として必ずそこではヒトと共にカネが動いている。事実、例えば中国人観光客はある時期まで、我が国のATMで日本円を大量に降ろすためにやって来ていた。彼らは自国の通貨であるはずの「人民元」ほど危ないものはないと確信しているからだ。そのため、中国当局はまず銀行カードの獲得基準を厳しいものとし、次に1日の引き出し可能額を大幅に下げたのである。これらの措置によって状況は収まったかのように見えた。
 しかし、である。
 マスメディアは一切報じないが、今やもっと規模的に違うマネーの「大津波」が我が国に襲ってきているのだ。金融マーケットの深層においては、その関連での“うれしい悲鳴"が続々と聞こえてきている。
「東南アジア有数の、あの政府系投資ファンドが、我が国の大型不動産を鳴り物入りで物色している」
「アメリカ系越境する投資主体の雄とでもいうべき巨大ファンドが日本株を合計15兆円近くも取得した」
「韓国の有力財閥が我が国の大型商業ビルを買い占めようとするだけではなく、自社ブランドのホテルチェーン店を我が国で展開しようとしている」 
 とにもかくにもグローバルマネーによる「ニッポン礼賛」の連続なのである。実際、その関係での仕事は増えるばかりである。一般にはこうした怒涛(どとう)のマネーと共にやって来る外国人たちの数ばかりが報じられるが、その実、莫大(ばくだい)な量のマネーが我が国へと向かってきているというわけである。
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