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(左)《世界中の子と友達になれる》 2002年(平成14) 絹本着色、裏箔、紙 181.8×227.8cm 作家蔵(横浜美術館寄託)、(右)《浄相の持続》 2004年(平成16) 絹本着色、軸 29.5×79.3cm 財団法人平野美術館寄託
新進気鋭の画家、
松井冬子の大規模個展
がいよいよ開催
自身がアートディレクションを手掛ける映像作品も初公開
今もっとも注目される画家の一人、松井冬子。日本絵画の古典技法の探求を通じて確かな画技を身に付け、芸術表現が呼び起こす精神的肉体的な「痛み」を始点として、恐怖、狂気、ナルシシズム、性、生と死などをテーマに制作を続けている。12月17日(土)より横浜美術館で開催される「松井冬子展 ―世界中の子と友達になれる―」は、公立美術館初となる記念すべき大規模個展だ。本展では、代表的な日本画の作品に加え下絵やデッサン、新作を加えた約100点を展示。さらに会期中には、松井冬子が初めてアートディレクションを手がける映像作品も公開する予定とあって、注目が集まる。
 本展の副題である「世界中の子と友達になれる」は、松井冬子の東京藝術大学学部卒業制作のタイトルから採られている。この作品にある“藤棚の中の少女"“スズメバチの大群"“赤子がいない揺りかご"は、狂気、女性性や堕胎を暗示し、他者から攻撃を受け続けた状態や自分を見失った心理状態が、一瞬にして狂気へと変わる緊張状態を描こうとしている。主題、技法、作品名の付し方など、さまざまな要素においてこの作品は、松井冬子の本質を示す原点と言えるだろう。
 松井冬子の作品には、人間の負のありさまや死、目をそむけたくなるような臓物のモチーフなどが多く描かれるが、それは悪戯な露悪趣味とは間逆にあって、苦悩や懊悩から逃げ出さない、真摯な生の力強さに訴えている。だからこそ作品から目をそらさずに、人間存在の力強さと儚さをじっくり鑑賞して欲しい。

●松井冬子展  ―世界中の子と友達になれる―
開催期間:12月17日(土)~2012年3月18日(日)
10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで、木曜休館)
開催場所:横浜美術館
神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
TEL045-221-0300(代表)
http://www.yaf.or.jp/yma/
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