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京都・紫式部と恋
Vol.2
Photo Satoru Seki Text Junko Chiba
光源氏にモデルはいた?

 光源氏は実在の人物をモデルにしたのかどうか、興味が尽きないところだ。三田村氏は「中国も含めて、たくさんいた」とする立場である。その中から境涯が似ているという部分で、数人挙げてもらった。
「一人は源高明。これはかなり言えてまして、一番のポイントは高明が969(安和 2)年の政変が起きた時に謀反のかどで大宰権帥に流罪になった、その日付が源氏の須磨流離の日と一致することです。他にも、皇子でありながら臣下に降った一世源氏であること、若い頃から学問ができたこと、父に寵愛されたことなど、いろんなところがそっくりです。高明の書いた自身の元服式の記録は、光源氏の元服式と酷似していますしね。また流罪になったという意味では、中宮定子の兄、藤原伊周もモデルに考えられるでしょう。大変な美男子だったといいます。もう少し前で言えば菅原道真もそう。この3人はいずれも、優秀であるがゆえに藤原氏の勢力に潰されたと言われています。
 もう一人、源融という人がいます。やはり一世源氏ですし、光源氏が建てた嵯峨野の御堂は融の住んでいた別荘・棲霞観を、六条院は河原院という融の造った豪壮な庭園をモデルに描かれていますから。あと夕霧の宇治の山荘のモデルである平等院も、融の持ち物でした。融は天皇になれなかった代わりに、お寺や別荘を建て、そのミニチュアの世界で遊んだ人。光源氏の生き方に明らかに反映されています。特別かっこよかった、という話は聞きませんけど」
光源氏に限らず、紫式部は読書で出会ったいい男や、劇的な人生に翻弄された男、恋に生きた男など、いろんな男をミックスして一人ひとりの人物像を構築し、物語の中で生き生きと動かしたのかもしれない。
(上)源氏物語の舞台となった平安宮の面影を今に伝える京都御所。石垣と土塁の他、建礼門を始めとする九つの門に囲まれている。御所内には藤原道長の暮らした土御門邸跡がある。

(下)京都鳩居堂に展示されていた平安貴族の間で普及した煉香。薫物はやがて六つの主題に分類され
た。黒方・梅花・荷葉・菊花・落葉・侍従の「六種(むくさ)の薫物」を基本とする。

京都鳩居堂
京都市中京区寺町姉小路上ル下本能寺前町520
TEL075-231-0510 www.kyukyodo.co.jp
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