PAGE...||||
海賊と聞くと、船を襲う無法者というイメージがあるだろう。だが、村上海賊は、むしろそうした無法者を取り締まる海の権力者であった。フロイスは瀬戸内海を航海するにあたり、村上海賊から絹の旗と署名を渡されている。旗は村上の「上」の字が記された、「過所船旗(かしょせんき)」と呼ばれる通行許可証である。村上海賊は通行料を徴収する代わりに、この許可証を渡すか、水先案内をすることで船の安全を保障した。だが、ひとたび許可を得ずに海を渡ろうとする船があれば、法螺(ほら)貝や陣太鼓を鳴り響かせ、一斉に目当ての船を取り囲み、一人残らず討ち取った上、積み荷もすべて奪い取ったというから、海賊らしい荒々しさも十二分に備えていた。一方で、村上海賊は海上貿易で財を成す、商人としての才を発揮したことでも知られている。また、大島(おおしま)の大山祇(おおやまづみ)神社には、村上海賊が武運を祈って神に奉納したという連歌が残る。香や茶にも通じ、高い教養を備えた文化人としての側面も持つなど、複数の顔を併せ持つ民であったようである。
(左)因島村上氏一族の墓地。供養のために造られた、一族のものとされる宝篋印塔(ほうきょういんとう)18基と多数の五輪塔が並ぶ。かつて分散していたものが、一族の菩提寺の裏山に集められた。(右)生口島にある国宝 向上寺(こうじょうじ)三重塔。石山合戦の第1次木津川口合戦で、村上海賊とともに毛利水軍の武将として戦った生口氏の創建。三重塔は多島美と調和した美しさを誇る。
LINK
CULTURE
祈りと海賊の街 尾道
>>2018.10.18 update
CULTURE
道海を見下ろす細道を歩く
>>2017.7.20 update
CULTURE
村上海賊が時を超えてよみがえる
>>2017.8.4 update
STYLE
12. CUERVO Y SOBRINOS/クエルボ・イ・ソブリノス
>>2009.1.9 update
TRAVEL
多島美をめでる客船“ガンツウ”の旅 guntû
>>2017.6.29 update

記事カテゴリー