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(左から)金魚ちょうちんが軒先にゆらゆらと揺れる「白壁の町並み」。“鰻の寝床”といわれる長細い敷地割りになっており、奥行きが100mを超える家もある。
今年の柳井金魚ちょうちん祭り(本祭り)は、8月13日に開催される。青森のねぶた祭りを彷彿させる、大きな金魚ねぶたが白壁の町並みを堂々と時には荒々しく練り歩く。
佐川醤油店の仕込み蔵。創業以来、杉の三十石桶で醸造する伝統製法を守り続ける。
明治元年ごろから使っているこの建物では、醤油の仕込みを見れるほか、通常の手造り醤油の2倍の歳月と手間がかかる再仕込み醤油「甘露醤油」などを販売。
佐川醤油店 山口県柳井市柳井3708-1 TEL0820-22-1830  www.sagawa-shoyu.co.jp
金魚ちょうちんが揺れる、岩国藩のお納戸・柳井
山口県の東部、岩国から南西に約30㎞に位置する柳井は、瀬戸内の室津半島の付け根に開けた港町である。中世には海上交通の要衝として栄え、1663(寛文3)年からは干拓が進み、周辺の商人が集まり、古市、金屋の辺りが商業の中心地となったため、藩政時代には、岩国藩のお納戸と呼ばれ商都としてにぎわった。この古市、金屋地区は、いまだに室町時代の町割りのままで、約200mにもわたり白壁と格子窓の土蔵造りの家並みが続く。漆喰の白壁の家々は、元禄時代以降の典型的な町家造りで、往時の面影を色濃く残している。
 ここ柳井には、岩国藩の殿様、吉川家にまつわる味わいがある。それは甘露醤油だ。1780年代(天明年間)に、柳井の醸造家、高田伝兵衛が造った芳香で美味な醤油を、7代藩主の吉川経倫(きっかわつねとも)に献上したところ、「甘露(かんろ)、甘露!」と称賛したという。「甘露」とは、「おいしい」というこの地方の方言。これが名前の由来となっているのが、柳井の甘露醤油である。江戸時代後期、1830(天保元)年にこの地に「佐川醸造」として創業した佐川醤油は、創業以来の醤油蔵で180余年にわたり、伝統の再仕込み醤油を造り続けている。醤油造りに適しているという柳井の風土を生かして、この地が発祥といわれる「再仕込み醤油」を4年もの歳月をかけてじっくりと醸造している。この甘露醤油は、甘みのある豊潤な味わいと香りの生醤油で、刺し身のつけ醤油として使われている。
 そして、夏の金魚ちょうちん祭りの頃には、かわいらしい金魚ちょうちんが白壁の家々の軒先に飾られる。古くは、多くの家で大人が作って子供に与えたり、また、氏神様の祭礼などの「お迎えちょうちん」の中に交じって、彩を添えていたという。
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