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江戸のアバンギャルドたち
江戸時代に傍流とされていた絵師がいる。今では熱狂的な人気を博している岩佐又兵衛、伊藤若冲(じゃくちゅう)、曽我蕭白(しょうはく)、長沢芦雪(ろせつ)といった面々だ。近年のこうした“江戸絵画”ブームは、美術史家、辻惟雄(つじのぶお)氏の著書『奇想の系譜』(1970年美術出版社)に端を発するといえる。自由で斬新な発想の絵師たちが描いた作品を、辻氏は“奇想”という言葉を使って、「平穏無事な江戸時代絵画史に、いささか刺激的な毒を盛ろう」とたくらんだという。ここで“奇想”の絵師として取り上げられた岩佐又兵衛、狩野山雪(さんせつ)、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳(くによし)に、白隠慧鶴(えかく)、鈴木其一(きいつ)を加えた、「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」が開催中だ。つい50年前までは日本美術史にうもれていた、彼らのアバンギャルドな作品を紹介する。
「奇想」とは、辻惟雄氏の言葉を借りれば、「エキセントリックの度合の多少にかかわらず、因襲の殻を打ち破る、自由で斬新な発想」である。だから、岩佐又兵衛や伊藤若冲、曽我蕭白といった絵師たちが生きた江戸時代には、その画風は早過ぎたのかもしれない。彼らの“奇想"は、時代に受け入れられず、評価されないまま、日本美術史から姿を消していた。
 それが辻氏の著書『奇想の系譜』により、日本美術史の表舞台に飛び出し、氏に師事した明治学院大学教授の山下裕二氏(「奇想の系譜展」監修)を始め、後継の研究者たちにより研究が深められた。そして、その成果がじわじわと広がっていくと、“奇想の絵師"たちの作品は広く受け入れられ、近年の“江戸絵画ブーム"を巻き起こしたのだ。

>>1. 幻想の博物誌 伊藤若冲
>>2. 醒めたグロテスク 曽我蕭白
>>3. 京のエンターテイナー 長沢芦雪
>>4. 執念のドラマ 岩佐又兵衛
>>5. 奇想の起爆剤 白隠慧鶴
>>6. 伝統と革新の鬼才 鈴木其一

奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド
会期 2019年2月9日(土)~4月7日(日)
会場 東京都美術館(東京・上野公園)
開館時間 9:30~17:30(金曜日、3月23日、3月30日、4月6日は20:00まで)※入室は閉室の30分前まで
休室日 月曜日 ※4月1日(月)は開室
観覧料 一般1,600円、大学・専門学校生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円

●奇想の系譜展 TEL03-5777-8600(ハローダイヤル) 
kisou2019.jp
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