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 客にせよ、料理人にしても〈食〉と対峙するにあたって、限られた自然を受け入れ、その範疇で美味しく食べる愉しみを、今一度見直すべきときに来ている。
 その地とは無縁の希少な食材を求めたり、季節外れの食をして美食と誇るような〈驕り〉は、必ずや自然のしっぺ返しを食うに違いない。今そこにある〈旬〉を素直に味わうことこそが、美食の本来の意である。
 つまり、美食の〈美〉は珍奇や新奇ではなく、今を盛りとする、ありふれたものにこそ潜んでいる。
 美食、あるいはグルメという言葉がひとり歩きを始めて久しい。しかしその真意はなかなか見えてこない。次回はそのことを少し考えてみたい。
かしわい・ひさし 1952年京都市生まれ。京都市北区で歯科医院を開業する傍ら、京都関連の本や旅行エッセイなどを数多く執筆。 2008年に柏木圭一郎の名で作家デビュー。京都を舞台にしたミステリー『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズ(双葉文庫)はテレビドラマにもなり好評刊行中。
『京都紫野 菓匠の殺人』(小学館文庫)、『おひとり京都の愉しみ』(光文社新書)など著書多数。
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