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食語の心 第6回
作家 柏井 壽
Photo Masahiro Goda
 季節は良し。休みも取れた。さて、どこかへ旅にでも出るか。と、旅行の計画を練る時間は実に愉たのしい。まずは行き先を定め、アクセスを考え、そして宿を選ぶ。ここで道筋が二つに分かれる。ホテルか日本旅館か。
 両者を比較しながら、大方の頭に浮かぶのは〈食〉ではなかろうか。どちらに泊まれば、より美お味いしいものが食べられるか。
 総じてホテルの方が選択肢は多い。一定規模以上なら、和洋中とレストランがそろい、その日の気分で選び分けることができる。それに比べて、日本旅館の食事は、ほとんど選択の余地はない。さらには画一的な料理を出す宿が多く、それゆえ敬遠されることも少なくない。「日本旅館には泊まりたいけど、あの、ありきたりな食事がなぁ」
 という声は僕の耳にもよく届く。たしかに日本旅館の夕食は、どこもが同じような和食で、代わり映えがしない。大抵の日本旅館は、一泊二食付きという料金設定をしていて、否いやが応でも、その宿で食事を取らねばならない。言わば、あてがいぶち。選択の余地がないところにもってきて、画一的となれば、敬して遠ざけられるのも、もっともな話だ。
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