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(左)ハンバーグ(1,300円)。鉄板は、「『街の洋食屋』なんだから、ちょっと野暮ったくてもいい」という2代目のこだわり。付け合わせにはナポリタンやフライドポテトなど「ザ・洋食」が並ぶ。啓子さんの代で少し改良した。
(右)オムライスと串カツ3本セット(980円)。創業以来の定番。もとは別々のメニューだったが、一緒に注文する客が多く、セットメニューとした。オムライスのソースはケチャップとウスターソースに串カツのたれを合わせたもの。
創業当時は船場に店を構えていた。戦時中は洋食への風当たりが強かったため、店にメリヤスを張って目隠しをした。店に来られない客のために、屋台を引いて営業することもあったという。戦火で店が焼け、大丸心斎橋店の前に移転。しかし、立ち退きを迫られ、約50年前に現在の場所に移った。主は2代目で啓子さんの亡き夫、一民さんへ。激動の中、味を守り続けるのは、想像する以上に大変だ。「もうちょっとああすれば」と思うことは何度もあったが、この味を愛する客の存在が、啓子さん夫妻を踏みとどまらせた。
「初代の頃は、長男の一民、次男の勝二、三男の隆清、四男の恵三、三女の圭子と、兄弟のほとんどが店に携わっていたんです。恵三は独立して店を出しましたが、隆清は今もここでオムライスを巻いてます」
 親族以外にも、長年、働く従業員が店を支えている。もう何十年とオムライスを巻いている荻野さんもその一人。奥さんも手伝いに来る。啓子さんの長男の剛史さんは、3代目を継ぐべく、イタリア料理店で修業中だ。10年以上、明治軒で働いてきた経験を持つが、料理人だけで10人以上いる大所帯では、オーナーシェフが一番、腕が立つ必要がある。だからこそ、外の刺激を受けて、腕を上げたいと修業に出た。
「サイドメニューは、もっと工夫をして、いくらでもおいしくしてもらいたい。でも、オムライスと串カツは、息子の代でも絶対に変えないでほしいですね」と、啓子さん。
 長年の常連だけでなく、初めて来た若者たちも「旨い」と言う。そのたびに、初代のすごさを実感する。初代や2代目への尊敬と愛情が、変わらぬ味を受け継ぐ力となっている。

●レストラン 明治軒
大阪市中央区心斎橋筋1-5-32
TEL06-6271-6761
営業時間11:00~15:50(L.O.) 17:00~21:45(L.O.)
土曜、日曜・祝日11:00~21:45(L.O.)
水曜定休
www.meijiken.com
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