
「セーニャ」誕生20周年を記念して来日したエドゥアルド・チャドウィック氏。2005年には、デキャンタ誌よりワイン業界で最も影響力のある50人に選ばれた人物である。

チリワイン「SENA」にかける夢
Text Yui Togawa
チリワイン大使として活躍する
エドゥアルド・チャドウィック氏
エドゥアルド・チャドウィック氏
カジュアルな印象が強いチリワインだが、高品質化に積極的に取り組むプレミアムワイン「SENA(セーニャ)」をご存じだろうか。1995年、チリ屈指の生産者であるエラスリス家の当主エドゥアルド・チャドウィック氏と、今は亡き偉大なパイオニア、ロバート・モンダヴィ氏によって共同で造り始められ、アコンカグア・ヴァレーの地で世界最高レベルのボルドーブレンドワインを造るというコンセプトを基に、リリース当初から高評価を獲得。これを決定的にしたのは2004年にドイツで開催した「ベルリン・テイスティング」であった。チリワインのイメージを高めるために、自らフランスとイタリアの格付けワインとブラインドで比較させ、その結果、なんとヴィーニャ・セーニャ社の「ヴィニエド・チャドウィック2000」が1位、「SENA 2001」が2位に輝いた。世界を驚かせた出来事によって、チリワインの新たな価値観を築くこととなる功績を残すことに。2010年には、チリ人として初めて外務省から叙勲された。チャドウィック氏はこう語る。「『SENA』によって、私の人生は導かれている。常に自分をリードしてくれる存在であり、これまでも、そしてこれからも“夢"である」。