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酒のCMソングが流れていた時代、そして今
Photo TONY TANIUCHI Satoru Seki
かつてテレビから酒造メーカーのCMソングが流れ、お茶の間を賑わせた。リズムよく童謡のような歌から、しっとりと大人の男女が歌い上げる曲まであったが、その酒を鮮烈に印象づけた。CMソングとともにはやった酒はどんなものだったのか。そして今は? CMソングを通して日本酒の真髄を考える。
旨い酒は舌の記憶に残る

 仕事柄、日に100種類近い日本酒を利き酒することもある中、「これは」と思うものは、必ず銘柄を覚えている。これは脳というより、舌が記憶するといった感覚。心から「おいしい」と思う酒に出合う度、日本酒は五感をフルに使って味わうものだと実感する。
 五感の中で、聴覚は酒に関係なさそうと思いきや、実は大いに関係ある。それは各酒造メーカーのCMソングである。代表的なCMソングは、『かっぱの唄』(黄桜 作詞・作曲/田中正史、歌/楠トシエ、1961年)、『酒は大関』(大関 作詞・作曲/小林亜星、歌/加藤登紀子、1970年)、『初めての街で』(菊正宗 作詞/永六輔、作曲/中村八大、歌/西田佐知子、1979年)などが挙がる。子どもの頃、何のCMだかわからず、サビの部分を口ずさんでいた人も多いのではないだろうか? もちろん私もその口で、風呂につかりながら、『かっぱの唄』をフルバージョンで歌っていた。酒の飲めない子どもまでも魅了してしまうほど、銘柄を入れたCMソングは耳に残る。

清酒のCMソングの流行

 酒のCMといえば、来る12月16日に宝酒造の「松竹梅」のCMを一挙に集めたDVDが発売されるという。「松竹梅」のCMキャラクターといえば、往年の大スター、石原裕次郎氏。DVDは1970年から、彼が他界するまでの17年間にわたって出演したCMと、28年もの間、石原プロモーションの倉庫で保管されていた“幻のCM"も収録される。当時、酒のCMといえば和服を着た女性が登場するのが主流だったが、国民的ヒーローである石原裕次郎氏を起用したことで、業界シェアは10位から一気に6位にまで上昇した(2014年は業界シェア2位)。
 あの聞き慣れた『よろこびの酒松竹梅』の作曲は平尾昌晃氏。メロディーの覚えやすさと、縁起のいい酒銘がミックスすることで、子どもから大人に至るまで多くの人に「松竹梅」の名を世間に知らしめた。CMソングによる、売上と知名度アップの貢献度は、計り知れないものがある。
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