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鮪の握り白トリュフがけ
神田裕行 真味只是淡 第二十八回
白いトリュフには“魔味"がある。
 “魔味"というと、なにやら怪しい響きだが、そうとしかいいようがない。白トリュフの本当にいいものは、11月にならないと出てこないイタリアのアルバ産にとどめを刺す。トスカーナ産でもいいという人もいるが、それはロマネコンティと、その隣の畑で味わいが違うことと同じだ。土から生まれるトリュフは、土の素性でその品質が変わる。支払いの時の多少の後悔には、もう慣れるしかない。そして、私はあらゆるトリュフには、米が一番よく合うと思っているが、白トリュフは黒トリュフより顕著に米と相性が良い。
 この最高に芳しいきのこと米をマリアージュさせるには、肉よりも魚を介在させたほうが良い。肉なら牛のカルパッチョが最も適しているが、その発想を鮪のトロに置き換えた私の「鮪の握り白トリュフがけ」は、この数年で中毒患者を量産している。ちなみに、白トリュフを黒トリュフと比較して、どちらが旨いかという議論をする人がいるが、それは最高のアルバ産を食べたことがない人の意見だと思う。黒トリュフは美味だが、魔力に欠ける。くらくらするような愉悦は、アルバ産のものにしか見いだせない魔法なのだ。
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