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神田裕行 真味只是淡 第二十九回
Photo Masahiro Goda


カワハギの刺し身、空揚げ、肝あえ
新潟においしい米を求めて、足繁く通うようになってはや10年である。
 日本一の米どころは、新潟県南魚沼と聞いて出掛けたが、実際に行っていろんな方に伺ってみると、いやいや南魚沼の中でも塩沢町(しおざわまち)の、しかも西山でないと、どんどん地域は限定されていく。果たしてそんなに違うものかと、かまどを並べて試食してみたら、これが全部違う味わい。曰(いわ)く無農薬、自然農法。風が通る通らない、朝霧が出る云々(うんぬん)と説明を受け、田んぼはテロワール、農家は職人であると納得した。
 中でも、感銘を受けたのは、やはり西山のしかも樺野沢と呼ばれる特級地区の米で、その澄みきった味わい、洗練された香りに陶然とした。
「ぜひこの米を店で出したい」と頭を下げに行った日から、この米を作っている鈴木清さんとの付き合いが始まった。
 清さんの田んぼを夏に訪れると、草の隙間からタニシが顔を覗(のぞ)かし、夜になるとホタルが舞う。昔ながらの風景に和んで「ここは日本で一番米作りに適した場所なんですね」とつぶやくと「いやいやこの辺りは米作りが一番難しい。難しい場所だからこそ、稲が頑張っておいしい米が取れるのだ」。
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