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テーブルを華やかな空気に包む「“薔薇” フォアグラ ビーツ」。まずは花の形と深紅の色の美しさに驚き、口にすればビーツ、フォアグラのテリーヌそれぞれの明確な味に驚く。
Roppongi Cuisineの新鋭たち
Photo Masahiro Goda Satoru Seki(P5-6)
Text Izumi Shibata
料理がいざなう驚きとおいしさの旅 le sputnik
美しい色彩と形、意表をつく遊び心、それらのベースにある確かな味。確実においしく、モダンさ、楽しさ、ぬくもりを兼ね備えた料理を作るシェフとして髙橋雄二郎氏はフランス料理界で頭角を現し、多くのファンを引きつけてきた。それが一段とパワーアップし研ぎ澄まされてきたのが、2年前に独立し自店「ル スプートニク」をオープンしてから。六本木の地を舞台に、自身の世界の追求を加速させている。

「驚き」を支える味と手間

 「ル スプートニク」のいわば“名刺代わり"の料理と髙橋氏が位置付けているのが、今回紹介する「“ 薔薇(ばら)" フォアグラ ビーツ」だ。深紅のバラの形をした、食べるのが惜しいほどに美しい一品。同じ色のソースとパウダーが、皿一面にグラデーションを描く。ドラマチックなビジュアルだが、色彩は赤、そして皿のプラチナのみに抑えられ、シックで引き締まった印象を示す。
 深紅の色の正体は、料理名にあるビーツ。そして主役のバラの土台となっているのは、フォアグラのテリーヌだ。フォアグラのテリーヌにバラの風味がほのかに香るシート状の赤いゼリーをかぶせ、ビーツのピュレで作った花びら形のチップスを挿す。ビーツのソースとビーツを乾燥させて作るパウダーを盛り付けて、完成する。
 ベーシックな手順を丁寧に踏んで作られるフォアグラのテリーヌはキレがよく、かつフォアグラの風味とコクを堪能できる、フランス料理の
醍醐味(だいごみ)を楽しめる味わい。「バラの形」という驚きに負けない味の厚みがあるからこそ、インパクトのある一品として深く記憶される。
 なおビーツのチップスは、大小の花びら形を抜いた特製の型にビーツのピュレを薄く塗ってかたどり、低温のオーブンで乾燥焼きにし、温かいうちに一枚ずつ立体的に曲げて作るという、非常に手間のかかるもの。その手間をかけてこその完成度が、この料理の風格を一層高めている。
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