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歴史あるリゾートである軽井沢の野鳥の森の谷あいに、川のせせらぎに包まれて離れ家のような客室が立ち並ぶ。そして、浅間山から湧き出す源泉かけ流しの温泉、滞在型スパプログラム、信州固有の食文化を取り入れた料理「山の懐石」を堪能できる。
生産者と紡ぐ、風土の味と料理 星のや軽井沢
Text Izumi Shibata
星野リゾートの創業の地、軽井沢の一角にのれんを掲げる「星のや軽井沢」。日本における温泉リゾートの新スタイルを確立した名宿だ。2005年の誕生以降、このジャンルを牽引し、かつ進化を続けている。

信州の味を深掘りしたその先に
 「星のや軽井沢」が提供する「食」でも、進化は重ねられている。
 2013年よりメインダイニング「日本料理 嘉助(かすけ)」の料理長を務める稲家栄二(いなけえいじ)氏は、「山の懐石」をコンセプトに掲げる。これは、信州固有の食文化を取り入れつつ、休息を求めてリゾートを訪れているゲストが無理なく楽しむことができるバランスを追求するスタイルだ。
 「山菜、狩猟肉、川魚といった、山深い土地ならではの食材。信州内でも土地ごとで異なる蕎麦、味噌、漬物などの加工食品……。質を徹底して追求する生産者さんと取り引させていただいています」と稲家氏。そして「みなさんが、自らが手がける産物に込めている思いをゲストにつなぐのが、私たちの役割です」と話す。
 そんなスタイルをよく表現している料理が、この冬に登場した「ジビエおでん」だ。メインの具材は、イノシシの角煮、ウサギのミンチのゴボウ射込み、キジのロールキャベツなど。甘さを蓄えた冬の大根、冬に糖度が増すトマト、実は信州の名産である朝鮮人参など、野菜の具材も充実する。そして特筆すべきが、濃厚な旨みと透明感を併せ持つスープ。
 鶏ガラスープのベースに、たっぷりの鹿もも肉のミンチと赤味噌を溶かし込み、加熱してからこして作るこのスープは、フランス料理のコンソメの手法を取り入れたもの。
 「ポイントは、仕上げに“追いガツオ"的に加える鹿しか節ぶしです。鹿肉をカツオ節のように乾燥させた鹿節が、全体の風味のまとめ役となります」
 スープ、具材それぞれに適切な手をかけて、個性を洗練させて仕立てたおでん。じんわりとおいしい、冬の信州をふんだんに感じる一品だ。
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