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永峰・三島会計事務所の海外投資と税講座
第4回
富裕層の国・スイスで考えるCRSの施行

スイスの物価は高い
 先月、1年ぶりにチューリヒとジュネーブを訪れた。今更ながら物価の高さに驚く。空港からダウンタウンのホテルまで15分程度タクシーに乗って6000円。ホテルの朝食のゆで卵1個で1000円(誤解なきように言うと決して高級なホテルに泊まっているわけではない)。一時が万事こんな物価感覚である。スイス人も高級品を買う時は、隣国ドイツまで行くそうで、物によっては3分の1の価格だそうだ。 なんでこんなに高いのか。現地生活が長いプライベートバンカーと話したら、こんな答えが返ってきた。
「スイスフランが過大評価されているのは公然の事実。ではなぜその状態が継続しているかというと、世界中の富裕層が資産逃避地として選択していることが最大の理由だろう。不動産は今でも世界中から需要があるし(実際は外国人は買えない)、正式な刻印があるスイスの金地金を欲しがる人は日本人でも多い。弁護士や会計士のネットワークも完備していて富裕層に対する財団や信託の設定にたけている。その辺はおそらく政府も心得ていて、国連関係の国際機関やコンベンションを多数誘致し、国の価値を維持することに余念がない(ダボス会議は今や年中行事)。そのかいもあり、世界中から信任を集めている。都市国家シンガポールが後塵(こうじん)を拝すべく必死であるが、スイスとはかなりの差があることは否めない。富裕層の間では、グローバルネットワークは幼少期からということで、簡単には入れないボーディングスクールに子弟を入学させることに余念がないのである」 そういうわけで世界中の富裕層にとって、リスクヘッジを主眼とする資産の分散投資先として、これからもスイスは選考され続けるだろう。ということは、スイスフランの価値は、この国の価値(あえて国力と言わず)と極めて強い相関関係があるのだろう。

CRSをめぐる話のおさらい
 そういう中でスイスの金融機関や関係者は、来年から施行されるCRS(共通報告基準)に戦々恐々としている。弁護士事務所で扱うパナマやリヒテンシュタイン財団は、設立者の居住国では設立者と別人格扱いなのか、はたまた信託類似のパススルーとして設立者と同一視、したがって情報交換の対象になるのか等々、話題にはことかかない。一点、我々も忘れてはならないことは、CRSが施行されれば加盟国(先進国の例外はアメリカのみ)全ての金融機関が自国の税務当局に、非居住者保有の金融口座情報を報告する義務がある、という簡単な事実である。これには加盟国のどの金融機関も従わなければならず例外はない。
 システムの施行により、今後は我が国の富裕層も当局によって海外金融資産の情報が捕捉されることは間違いないだろう。ここで法制化している我が国の海外資産に関する報告制度をおさらいしておく。
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