


(上)豊かな大地に囲まれた、サント・ステファノの村。
(下)ホテルのベッド・ルームと居間、昔の家を再現している。
(下)ホテルのベッド・ルームと居間、昔の家を再現している。

蘇る中世山岳都市 サント・ステファノ・ディ・セサニオ
Text Koko Shinoda
豊かな風土と文化に彩られた
イタリア・アブルッツォ州
イタリア・アブルッツォ州
イタリア全土には15,000の廃村が存在するという。中でもイタリア中部にはローマ時代に遡る、山頂に築かれた多くの城塞都市が、近代化に乗り遅れたまま残っている。アブルッツォ州の州都、ラクイラに近い、1,250mの山頂にあるサント・ステファノ・ディ・セサニオも過疎が進み、廃村の途を辿っていた。15世紀にメディチ家の傘下で織物で栄えた村であった。
そんなサント・ステファノ・ディ・セサニオを再生しようとプロジェクトを立ち上げたのが北欧系イタリア人事業家であるダニエル・キルグレン氏。2003年彼がバイク旅行中にこの村に迷い込み、中世の赴きを残しして朽ちようとしている村に感銘を受けたのがきっかけだった。そして、2005年にここにホテル「セクスタンティオ アルベルゴ ディフューゾ」を開業。村の入り口に近い家にレセプションや事務所を設け、村に点在する家をそれぞれ客室に改造していった。現在は6棟に25室、レストラン2軒、イベント・ホール、カフェ、ギフト・ショップ、スパ(建設中)などをホテル施設として運営している。これらの施設は町並の中に点在して溶け込んでおり、一軒のホテルという形にはなっていない。それぞれの建物はオリジナルの構造を生かしつつ、冷暖房や設備の整った浴室、インターネットなども設置されているが、内装は中世の民家の雰囲気そのものだ。
そんなサント・ステファノ・ディ・セサニオを再生しようとプロジェクトを立ち上げたのが北欧系イタリア人事業家であるダニエル・キルグレン氏。2003年彼がバイク旅行中にこの村に迷い込み、中世の赴きを残しして朽ちようとしている村に感銘を受けたのがきっかけだった。そして、2005年にここにホテル「セクスタンティオ アルベルゴ ディフューゾ」を開業。村の入り口に近い家にレセプションや事務所を設け、村に点在する家をそれぞれ客室に改造していった。現在は6棟に25室、レストラン2軒、イベント・ホール、カフェ、ギフト・ショップ、スパ(建設中)などをホテル施設として運営している。これらの施設は町並の中に点在して溶け込んでおり、一軒のホテルという形にはなっていない。それぞれの建物はオリジナルの構造を生かしつつ、冷暖房や設備の整った浴室、インターネットなども設置されているが、内装は中世の民家の雰囲気そのものだ。