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関東と関西の分岐点、関市の魅力とは
Text Yui Togawa
素朴な情緒で見る者の心を打つ「小瀬鵜飼」は、奥長良川県立自然公園内の小瀬の里で、5月11日夜開幕し、10月15日までの5カ月間、人々を楽しませてくれる。静寂な暗やみの中、かがり火の灯りのもと、鵜と鵜匠が川面に織りなす様子は、まるで古典絵巻のよう。
一千有余年の歴史を誇る「小瀬鵜飼」の粋
 古くから、東西文化の要衝にあり、京都から飛騨に通じる交通の分岐点として栄えたこの地に関所が置かれたのが「関」の地名の起こりといわれている。この地に古くから伝わる伝統漁法「小瀬鵜飼」が、10月15日までの間、長良川の川面で繰り広げられている。
 小瀬鵜飼の歴史は長良川鵜飼が行われる岐阜市と共に古く、奈良時代の史書にある「美濃鵜飼」の伝統を受け継いでいるそう。平安時代に醍醐天皇から賞賛され、織田信長からは「鵜匠」という名称を与えられ、徳川家康には鮎ずしを献上したと伝えられている。1890(明治23)年からは宮内庁の直轄となった。
 鵜匠として活躍するのは、4代目の岩佐昌秋さん、3代目の足立太一さん、18代目の足立陽一郎さんの3人。宮内庁式部職の鵜匠に任じられ、シーズン中8回の御料鵜飼を務める。
 奥長良川の景勝地を暗やみが包み始めるころ、ドラマの幕が開く。鵜船と屋形船が並行して川を下り、乗船客は、魚をくわえる鵜や鵜匠の見事な手縄さばきを目の当たりに見ることができる。距離感が近く、古式ゆかしい風情を間近で味わえるのが特徴だ。

●関遊船事務所
岐阜県関市小瀬76-3
TEL 0575-22-2506(13~17時・日曜を除く)
http://www.ozeukai.net/
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