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1964年フランス・リヨン生まれ。リセ・テクニック・ホテリア・グルノーブルでホテル経営を専攻。1985年の卒業時にソムリエの資格を取得。1992年に来日後、紅茶専門店などに勤務しながら、日本茶の可能性を切り開くための勉強を始める。2005年、東京・吉祥寺に「おちゃらか」を開店。日本茶や、日本茶ベースのオリジナルフレーバーティーの開発・販売を行う。
日本茶は世界的なビジネスになる茶商 
ステファン・ダントン

Photo TONY TANIUCHI Text Fumio Ogawa
かつてコーヒー豆の産地で知られる中米コロンビアに行ったとき、おいしいコーヒーがなくて失望したことがある。理由を尋ねて回ったら、「コロンビア人にとってコーヒーは無料の飲み物という意識が強く、味よりも、気軽に飲めることが大事なのだ」と、現地のコーヒー生産者組合で説明を受けた。そして、日本にも仕事で出掛けることが多いという担当者は、「日本の方々にとってのお茶と同じですよ」と付け加えた。
 確かに、大衆的なレストランから高速道路のサービスエリアまで、「お茶」は無料の飲み物だ。その味をうんぬんする人が少ない。
 そこにあって、日本茶にこだわるフランス人がいる。東京・吉祥寺で「おちゃらか」という店舗を構え、茶葉の販売とカフェを手掛けているステファン・ダントン氏だ。
 「フランスでソムリエの資格を取り、フランスワインの良さを日本に伝えようと来日した際、日本のお茶に出合って、その魅力を発見しました」と、メンズスタイル誌のモデルのような雰囲気を漂わせながら、流暢な日本語で語る。
 「今、日本では個人で楽しむための茶葉の需要がどんどん落ちているのをご存じですか? それにつれて生産量も落とさざるを得ない。でも、日本茶の可能性はかなり高いですよ。うまくやればフランスを始めとするヨーロッパでも受け入れられる。私は1992年に日本に来て、日本茶の勉強を始め、“これはすごい"と気付き、まずフランスに広めることを自分のビジネスにしたいと思いました。人を説得するには、頭で考えているだけでなく、エビデンス(証拠)が必要だから、2005年には『おちゃらか』を開店しました」
 果たして、ダントン氏の店は、すんなり受け入れられた。地元だけでなく、電車に乗って出掛けてくるファンもいるほどだ。老いも若きも日本人が茶に目覚めたことになる。
 さらに、ファンの一人が、2008年に開かれたスペイン・サラゴサ国際博覧会・日本館の公式飲料に採用されるきっかけを作ってくれた。
 「僕はそれまでに、日本茶に新しいかたちを持ち込みたいと考えていたので、地元の名産であるオレンジの香りを生かしたフレーバーティーを出しました。これがとても好評だったんです。93日間で97万杯のオレンジ茶を出しました」
 日本の伝統を欧州で広く受け入れられるかたちにアレンジしたい、というダントン氏の考えの正しさが証明された出来事だった。
 今「おちゃらか」には、ひっきりなしに客が訪れる。その人たちが、ダントン氏の作るライム、巨峰、ラフランスといったフレーバーティーを「おいしい!」と飲み、お茶にお金を払わないはずの日本人が、茶葉を何袋も買い込んでいく。

東京・吉祥寺の「おちゃらか」には、日本茶ベースのオリジナルフレーバーティーから常にいい香りがしている。ダントン氏は冷茶を入れたワイングラスを片手に、ここに居るのが落ち着くそうだ。

●おちゃらか www.ocharaka.co.jp
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