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Pio d’Emilia(ピオ・デミリア)
1954年ローマ生まれ。ローマ大学法学部卒業後、慶應義塾大学へ奨学金生として留学。80年代よりジャーナリストとして日本に在住、アジアの紛争地帯や福島なども現場から報道した。現在はイタリアのテレビ局Sky TG24の極東特派員。日本とイタリアの政界のパイプ役としても知られている。近著は東日本大震災と福島第一原子力発電所を取材した『日本の問題』(幻冬舎)。
東京の“フーゾク”は愉快でエレガントだよ。
Sky TG24 Pio d´Emilia

Photo TONY TANIUCHI Text Koko Shinoda
イタリア製バイクで東京中を走り回る、イタリア人ジャーナリストのピオ・デミリア氏。
 「僕の頭の中には東京の詳細なグーグル・マップが入っている。車、細い道が多く、住所が明確でない東京の町はローマ同様、絶対バイクが便利」と、愛車のアプリリアのスカラベオ250㏄をなでる。
 住まいは大学時代から慣れ親しんだ三田だが、都内で一番気に入っている地区は、新宿周辺だという。
 「東京全体を体にたとえると、新宿は、全てをがつがつ食べて消化し、排出する機能を持つ“腹"。つまり、町のガッツ。歌舞伎町はドラマをはらんでいて、いつでも面白い。週末ゴールデン街で飲んだくれているよ」
 24時間眠ることなく稼動している新宿は、午前零時から朝8時、朝8時から午後4時、午後4時から深夜零時と三つの時間帯よって、全く異なる町に変わるそうだ。
 「その変化はまるで違う国の町のよう。午前零時からの新宿、日本であって日本でなくなる。それでいて治安に問題はない。世界の大都市でこの時間帯に自由に動き回れるのは東京だけ。ローマから出てきたばかりの頃は、東京の夜の活気に圧倒された」
一方、都内であまり好きではない地区はいまだにアメリカがにおう六本木。「戦後半世紀以上たっているのに、首都の真ん中にでんと米軍がある。独立国としてよく我慢できるね」
 近年は通りにひしめく外国人の客引きもわずらわしい。
 「昔は外国人を入れてくれない店がけっこうあったのに、今では正体不明の外国人が、外国人観光客をカモにしている。昔は、日本のその筋の人たちがちゃんと仕切っていたのにね。外国人相手のストリップバーとかも増えたようだけど、“フーゾク"は日本のそれの方が格段に愉快だし、エレガントだよ。だから、歌舞伎町はいいねえ」
 随所で高層ビルの再開発が進む東京は、ローマっ子の目にはどう映るのだろう。民主党代表だった菅直人氏をローマで案内した際に、3000年前の集会所跡を、いつ開発するのかと聞かれて返答に困ったという。
 「古都ローマに限らず、イタリア人は新しい建物や再開発を嫌う。古代からの伊勢神社を20年ごとに移築するなどもイタリア人には考えられないが、文化は国や時代によっていろいろな形を取るものだから。近代都市においては、再開発の高層都市は経済的・合理的な結論でもある。六本木などは再開発の中に美術館などの文化施設をうまく取り入れた。
 残念なことに対象が若年層だが、もっと成熟した文化要素を取り入れることで、大人の町になるのでは。また、裏通りのある古い町並みとの対比を残してほしい。高層建築と大通りだけのアメリカ的な町並みは退屈だ」
 東京のスカイラインだけでなく、近年の大きな変化は、東京の“味"だという。
 「30年前の日本のイタリアンレストランはアメリカ仕込みの味で食べられたもんじゃなかった。最近は本場顔負けのイタリアンレストランが、いくつも登場している。でも、六本木のように外国人受けする程々のレストランが増えた一方で、庶民が愛せるいい居酒屋がなくなるようになるのは寂しいね」
 母国語に加えて、日本語、英語、フランス語を自由に操るピオ氏。世界の都市に慣れ親しんでいるが「19世紀はパリ、20世紀はニューヨーク、そして、21世紀は東京、上海の時代になる。もし、世界が存続してたら、22世紀にはローマの時代が戻ってくるかも?」と笑ってイタリアン・レッドのヘルメットをかぶると、愛車にまたがり夕暮れの町並みに向けて疾走していった。
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