世界の贅沢、NILEの贅沢
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JR西荻窪駅の北口、酒場がひしめく通りから1本隔てた小路にて。沖縄料理、フレンチ、韓国料理、タイ料理など、多国籍で混沌(こんとん)とした雰囲気の中、ワンピースの黄色が闇に映える。
命の水 日本酒に抱く畏敬の念
Photo TONY TANIUCHI Text Kunihiro Nakazato
写真家 古賀絵里子
「大学生の時までは、カルーアミルクやカクテルばかり飲んでました」
 そんな、しおらしい姿がむしろ今、お似合いの華奢な彼女。そのギャップに驚く人も多いが、気鋭のフォトグラファー古賀絵里子氏の酒好きは、かなりのものだ。
 何しろ、レギュラーで出演するBS‐TBSの番組「おんな酒場放浪記」は好評につき、既に放送開始から2年近くが経過している。多彩に活躍する酒場詩人、吉田類氏による「酒場放浪記」の女性版として始まった同番組では、吉田氏が訪ねた酒場を3人の女性が再訪する。仕事とはいえ、彼女にとって至福の時だ。
 異業種であるテレビ番組のパーソナリティーを務めることになったきっかけには、他でもない、酒好きならではのエピソードがある……。
 「旅番組『写真家たちの日本紀行』(BSジャパン)に以前、出演したことがありました。毎回、写真家が現地で撮影する姿や、街を歩く様子をドキュメンタリーで追う趣向なのですが、3泊4日で好きな場所へロケに行けるんです。私は迷わず、ずっと訪ねてみたいと思っていた新潟県の佐渡島を選びました。それは、行きつけの焼き鳥屋さんでご褒美に飲む、大好きな日本酒『北雪』の酒蔵があるからです。憧れの酒蔵に入った瞬間、思わず『ああ、うれしい』としみじみ、素でリアクションしちゃったんです、それが決め手だったらしいんですよ(笑)」
 そんな飾り気のない、一瞬の雰囲気が「おんな酒場放浪記」のプロデューサーの目に留まる。いわく「この子、お酒好きそうね」と、そのプロデューサーから「今度、一緒に飲みませんか」と連絡があった。そして、浅草の三社祭で出会った老夫婦を追い続けた古賀氏の写真集『浅草善哉』(青幻舎)を見て、「人と人との間に入っていける女性に違いない」とにらんだプロデューサーの直感は、ほどなく証明されることになった。
 「すっと、その場に溶け込む点では写真の仕事と同じ。自分の気配をなくし、そのお店の魅力を伝えたい」と毎回、新鮮な気持ちで収録に挑む。
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