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東京オフィスのロビーにて。数百種類に及ぶ鏝のほとんどは淡路島のアトリエで保管し、仕事ごとに必要な道具と職人をそろえて現地に赴く。
土を練り、土に聞く
左官 久住有生

Photo TONY TANIUCHI Text Rie Nakajima
重要文化財の修復から、一般住宅、店舗やホテルの内装まで、伝統の技術を生かし、現代建築にも調和する〝新しい〞土壁を作り続けている。
 「やっていること自体は、昔の左官と変わらないのです。しかし、皆が土壁の良さを知っていた時代と違って、今は技術を駆使してキレイに仕上げるだけでは、お客様には伝わりません。そこで、今の建築に合う意匠や、『こうしたら面白いだろう』ということを常に考えてきました。海外に行くとよく分かりますが、日本の職人の腕は一流です。しかし、日本の職人が唯一怠ってきたのは〝プレゼンをする〞ということ。僕は、時代に合ったカタチで提供するということをプレゼンし、実践しています」
 古くから腕のいい左官が集まる、兵庫県の淡路島出身。3代続く左官の家に生まれ、3歳で初めて鏝こてを握った。父親は厳しく、小学生でも「壁を塗る練習をしないとごはんを食べさせてもらえない」ほどだったという。20歳から30歳ごろまでの10年は、睡眠時間を削り、毎日20時間は壁を塗った。
 「とにかく、腕が良ければいい仕事ができると思っていましたね。しかし、職人はアーティストではないので、お客様がいてお仕事を頂かないといい仕事もできません。それを理解してから、仕事の考え方が変わってきました」
 壁だけを見ていた目が、客の視点にも向けられるようになった。同じころから、壁だけでなく、建築や背景にある文化を考えるようになる。
「昔は集落の中に左官や瓦屋、大工がいて、あえてそろえなくても、統一感のある美しい集落ができていましたよね。その中で、壁は主張するものではありませんが、環境や用途によって、さりげなく工夫されていました。左官は、衣・食・住を理解していないとできない仕事です」
 しかし、集落が失われていったように、近年、左官の仕事は大きく変わってきた、と久住氏は言う。
 「以前は集落にある材料を使って、職人が土を練るのが当たり前でした。ところが30年ほど前ごろから、メーカーが作ってカタログ化した土が流通し、それに水を入れて練れば誰でも壁を塗ることができる、インスタント的な作業に変わったのです」
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