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(上)平戸松山窯の15代目の中里月度務氏。唐子の骨(こつ)書きを真剣に丁寧に、しかし素早く描き上げる。代々当主だけがする仕事だ。 / 平戸松山窯の献上唐子絵尺皿。三川内焼を代表する絵柄の「唐子」の中でも、この絵柄が基本的なものだという。
(中)平戸洸祥団右ヱ門窯18代目の中里太陽氏。菊花飾細工はもちろん、復活した技術「置き上げ」にも熱心に取り組む。 / 精巧を極める菊花飾細工を得意とする平戸洸祥団右ヱ門窯の美しい花瓶。伝統的な意匠を今に伝える器を作る。
(下)光雲窯の今村隆光氏。好きな魚や恐竜を「置き上げ」していると時間を忘れて作業し続けてしまうという。 / 光雲窯の鮟鱇の壺。途絶えていた技術「置き上げ」を駆使した、鯨や鮟鱇、恐竜など独自の絵柄の器を作る。
極みの技
藩の庇護が産業を育てるのは道理。三川内焼の職人たちは、平戸藩の潤沢な資金を得て、技術の粋を集めた〝上物づくり〞に専念することができた。中でも三川内焼に特徴的な「極みの手技」を紹介する。
 例えば「染付」の技術は、繊細さが持ち味。一枚の絵画を描くように、すべてを人の手で一筆一筆描き出していく。これを得意とする現代の窯元、平戸松山の15代目の長男・中里月度務(つとむ)氏は、三川内焼を代表する絵柄「唐子」を描き続ける。
「素焼きの白地に呉須(ごす)という絵の具を含ませた筆で絵や紋様を描きます。そこを面として染めて濃淡をつけ、奥行きや立体感を出すのが『濃(だ)み』。この作業はかみさんがやっています。筆を立てて絵の具を流し込んだら、瞬時に筆を寝かせて吸い取っていく技法です。筆が速いほど、きれいな絵に仕上がります」と中里月度務氏。松山窯の絵柄の半分以上を占めるのが「唐子」である。中国の子どもたちが遊ぶ姿が愛らしい絵柄だ。
「もともと中国から伝来したもので、三川内独特の唐子絵に変化しました。献上唐子と呼ばれるものは、唐子の人数や、何をして遊んでいるか、松の木や牡丹、蝶、岩をどこに配置するか、ふちに描く紋様など様式が決まっています。それ以外の唐子は、絵師によって個性が加えられていますね。うちでは代々、唐子を描くのは当主だけ。表情が難しい」と言う。また、透かし彫りや、手捻(てびね)りを始めとするあらゆる技法を用いて動植物を写実的に造形した細工物も松山窯は得意とする。その大半が装飾品だ。
 三川内焼の細工物の一つ、菊花飾細工を手掛けるのが、前出の平戸洸祥団右ヱ門窯だ。竹の道具で土の塊から花びらを一枚ずつ切り出す。「宮内庁御用達の物を作っていた大正・昭和時代の菊の花は、まん丸の形から花びらの大きさ、外側に向かって大きくなっていく比率などが、機械で作ったように正確無比。私もその高いレベルを目指し、菊の質感や柔らかさを表現したい」と中里太陽氏は語る。
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