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もちろん、それを一助として国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)における赤字を減らし、できるだけ早期に黒字化しようといった趣旨も盛り込まれている。
 簡単に言えば「今後も国は大変苦しい」のであり、実のところ消費税率を8~10%程度にしたぐらいではとても追い付きやしないということも、今では多くの人が頭では理解している。よって、優先順位としては最も劣後しなければなるまいが、やはり長い目で見れば社会保障給付の水準切り下げという決断を迫られる可能性も十分に考慮しておかねばならないというわけだ。
 例えば、公的年金の支給開始年齢引き上げや事実上の支給額切り下げといった事態にも対応できるようにしておかねばならず、これまで以上に「私的年金づくり」の必要性は増す。そこで、有望な選択肢の一つに浮かび上がってくるのが、不動産投資信託(REIT)を分散投資の対象とし、原則、一定の分配金を毎月投資家に支払う仕組みを持つ「毎月分配型REITファンド」の存在である。
 現在、国内REIT型で最も純資産残高が大きいのは三井住友トラスト・アセットマネジメントが設定・運用する「J-REIT・リサーチ・オープン」で、過去1年間の分配実績は月額65円、執筆時の利回りは年率換算すると9.5%という水準になる。このぐらいの水準であれば、今後のインフレや円安に対する対応力もあろう。主に都心のオフィス物件に投資するREITであれば、7年後の東京五輪に向けての価値上昇も期待できるものと思われる。
(左)田嶋智太郎(たじま・ともたろう) 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 http://www.e-minamiaoyama.com/
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信頼こそが経済を繁栄させる!
経済を繁栄させるのは「競争」ではなく「信頼」。そう結論付ける筆者は経済学・心理学・経営学教授などの肩書を持ち、これまで数多の実験を積み重ねた結果、脳内化学物質のオキシトシン分泌→共感→道徳的行動→信頼→繁栄→オキシトシン分泌という「繁栄サイクル」を見いだすに至る。読み進めていくうちに評者の頭に浮かんだのは、最近改めて見直されている「おもてなし」や「絆」の精神に基づく経営。大いに参考にされたい。
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