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(左)コバンモチの板根(ばんこん)。幹の下部から出る根の上側が幹に沿って板状に突出しているもので、熱帯林の特徴の一つ。樹高や幹が大きく成長し木を支えたり、地中に根が伸ばせなくなった結果だ。
(右)大吊橋から5.5㎞下流にある千尋(せんぴろ)の滝。雨で水量が増し、いつもより荒々しい姿を見せてくれた。照葉樹林が育む水は「綾川湧水群」と呼ばれ、環境庁の日本名水百選に選ばれている。
千古不易の照葉樹林
綾の森には確認されているだけで、149科944種の野生植物が自生。内、照葉樹林構成種は263種で、高木においては日本全土で見られる25種中24種が生育しているそうだ。案内人の河野耕三氏(綾町役場・照葉樹林文化推進専門監)の口からポンポン飛び出す植物の名前に、早くも頭がクラクラしそうだが、まだまだ序の口である。
 ここで少し、照葉樹林について説明する。照葉樹は常緑広葉樹の一種で、肉厚の葉の表面がピカピカ光って見えることから、その名がついた。巨木には、寒さに強いタブノキや、伊勢神宮に代表される仏教伝来以前の鎮守の森のご神木として知られるイチイガシ、比重が重くて堅いイスノキを始め、スダジイ、コジイ、ヤブツバキ、ウラジロガシ、カゴノキなどがある。また中低木にはサカキ、サザンカ、アオキなどが、草木にはコバノカナワラビ、ハナミョウガ、ガンゼキランなどがあり、実に多種多彩である。「こういった常緑樹の中に一部、ムクロジのような落葉樹が混じっているのは、日本の照葉樹林の特徴」だと河野氏は言う。
 照葉樹林帯というのはヒマラヤの南麓部からアッサム、東南アジア北部山地、中国雲南高地、揚子江南側の山地を経て西南日本に至る。これらの森林には似通った文化要素が多数存在することから、共通の起源を持つのではないかとする仮説がある。「照葉樹林文化論」だ。
 例えば繭から絹を作る技術や漆の文化、鵜飼いの習俗、イモ類やアワ、ヒエ、陸稲などの雑穀を栽培する焼き畑農耕が共通するし、食文化にしても麹による酒造りとか味噌、納豆、醤油等の発酵食品、コンニャクなど、照葉樹林帯に特徴的なものが多い。そういった生活文化が営まれていたのが、まだ縄文時代の頃であることを考えると、照葉樹林文化は稲作文化に先行する、日本文化の原点とも言えるのではないかと考えられている。
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