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金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
米国の景気回復は、いよいよ「次の段階」へ
2015年4月1日、米ファストフード最大手のマクドナルドが直営店の従業員約9万人を対象に同年7月から賃上げを実施すると発表した。2016年末までに同社の平均時給は10ドル超となる見通しで、引き上げ前の約9ドルから10%程度のアップ。同時に勤続1年以上の従業員には就労時間により有給休暇も認める方針を掲げている。そこには、処遇の面で全般的な改善を試みることで従業員をつなぎとめる狙いがあることに加え、昨今の世相に配慮してイメージダウンを避けたいとの判断もあろう。
 ファストフード業界などの職場改善を訴える国際サービス従業員労働組合(SEIU)は、マクドナルドの賃上げに対して「まったく不十分」との意を表明し、同社を含むファストフード大手各社に対して「時給を15ドル以上に引き上げよ」との要求を今後も続けていくとしている。
 このように今、米国企業の間では賃上げの動きが徐々に広がりつつある。それは他でもなく、米国経済が着実に拡大へと向かっていることの一つの証しと言っていい。
 ことの発端は、米小売大手のウォルマート・ストアーズによる賃上げの発表であった。同社は2015年2月19日、米国内で働く時給制従業員(対象は約50万人)の最低賃金を時給7.25ドルから段階的に引き上げて、2016年2月には38%増の10ドルにすると発表した。もともと、ウォルマートは「賃金が低すぎる」と批判され続けてきた経緯があり、ここにきての賃上げは当然のこととも言えそうだが、「あの巨大なウォルマートまでもがついに動いた」という事実は、米国の流通業全体に大きなムーブメントを引き起こす可能性が高い。
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