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時代を読む――原田武夫 第42回
再び『日華の金塊』について考える
 私はかつて『狙われた日華の金塊』という本を上梓(じょうし) したことがある。2010年のことだ。金融マーケットの奥底で常に語られてきた我が国の皇室が保有していたとされる金塊について、ギリギリのところまで調べた本であった。
 他方、我が国のマーケットでいまだに語られることがある話題の一つに「M資金詐欺」がある。GHQの最高司令官であったマッカーサーの名の頭文字をとったともいわれる謎の巨大ファンドがあり、それが時折、海底から浮かび上がるクジラのように、その頭をもたげてはマーケットに富を振りまくことになるというのである。これに魅了された人々は数知れず、しかしそれらは全てが「詐欺」であったため、これまたとてつもない量の金銭が天才的な詐欺師たちの手にわたってきたというわけなのである。
 しかし、である。俗に「火のないところに煙は立たず」だ。何ら根拠もないのに、これほどまでに精巧かつ大規模な虚言が未だに語り続けられるということは、常識的に考えて想定できないのである。ところが不思議なことに、そうした至極まっとうな疑問を口にすると、今度はその発言者の信頼性そのものが疑われてしまうのだ。そのため「M資金」や謎の「天皇マネー」については、マーケットの誰しもが知っていながら、決して表向き語られることのない話題となってしまっているのである。
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