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 その意味でも、やはり最も肝心なのは米国経済の現状と将来の展望である。もともと、経済成長の足取りは緩やかながらも着実に前進していると見られていた。それが、今回のブレグジットであえなく一転してしまうものだろうか。米サプライマネジメント協会(ISM)が調査した結果によれば、ブレグジットが米企業にもたらす影響について回答企業の61%が「今年の影響はごくわずか」と予測していることが明らかになったという。
 米アトランタ連銀が独自に集計する「賃金伸び率トラッカー(WageGrowth Tracker」によると5月の米労働者の賃金の伸びは前年同月比で+3.5%と7年半ぶりの高い伸びになった。これは就職して1年以上の雇用者を対象とするうえ、シニア層の引退など年代構成別の変化にも細かく対応して弾(はじ)き出されるデータである。米労働省が発表する毎月の平均時給の伸び(5月は前年同月比+2.5%)を先取りするものとも言われ、米国の人々の賃上げ期待は今後一段と盛り上がるものと見込まれる。
 賃上げ期待は消費の原動力であり、経済成長の源でもある。それはドルに本来の強みを取り戻させ、ひいてはドル/円や日経平均株価の上昇要因にもなり得る。前回の本欄で「ここ数カ月内にドル/円やクロス円、日本株などがもう一段の下値を探る展開となった場合、そこは絶好の買い拾い場となるであろう」と述べたが、その見方はなおも変わらない。
(左)石油産業の歴史と現状を紐解く!
2014年末から始まった原油価格の大暴落。その原因と今後の行方を考えるうえで必要な要素が密に詰まった一冊である。石油産業が始まって以降、原油価格がどのように決められ、過去の大暴落の歴史はどうだったか。そもそも価格を決定する要因や仕組みはどのようになっているのか。諸々の事柄を紐解いたうえで著者が導き出した結論は「今がチャンスだ」。果たして、それは具体的にどういうことなのか……誰もが興味を持つことだろう。
『原油暴落の謎を解く』岩瀬昇/文春新書/ 864円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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