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期待高まる「リオープン」の動き
田嶋智太郎 経済アナリスト
日本経済復活の兆し
3月の全国百貨店売上高が、前年同月比4.6%増の約4260億円と、2カ月ぶりのプラスになった。まん延防止等重点措置の解除で来店客数が回復したことが大きいのは言うまでもないが、時計や宝飾品など高額品の売れ行きが好調続きであることもポイントである。
 個別では、全国主要都市に「大丸」、「松坂屋」を展開するJ.フロント リテイリングの3月の月次売上高において、大丸東京店の売上高が前年同月比で19.7%増、大丸心斎橋店が同11.0%増となるなど、大都市圏の主要店舗でラグジュアリーブランド・宝飾品の売り上げが大きく伸びたことが目を引く。
 すでに同社が公表している2023年2月期の連結業績予想によれば、営業利益は前期比2.2倍、純利益は同2.7倍に膨らむ見通し。むろん、今後の株価の上値余地も大いに広がりそうである。
 いわゆる「リオープン(経済活動の再開)」の動きが次第に活発化するなか、富裕層から先んじて消費に精を出している様がうかがえるのは百貨店に限らない。
 たとえば、足元ではリゾート会員権やゴルフ会員権の売買市場でも高価格帯の取引が活発になっているという。長らく海外旅行など自由な屋外活動を自制してきたその代替として、国内で少し優雅に費やせる「時間」を買う動きが広がっているわけである。
 ゴルフに関連する企業としては、その代表格であるゴルフダイジェスト・オンライン(証券コード:3319)の足元の収益の伸びが目覚ましい。同社は、ゴルフ場予約事業とゴルフ用品販売事業を柱としており、前者は収益性の高い送客サービスが好調。また、後者はクラブが在庫不足気味であるものの、ウェアやアクセサリー類が女性ユーザー中心に安定的に伸びているという。
 同社の純利益は2021年12月期に前期比で約4倍の伸びとなったが、今期も同83%増と2期連続で過去最高益を更新する見込みとなっている。その割に、足元の株価は評価不足と言える。
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