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                               元外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格し、外務省に入省。12年間奉職し、アジア大洋州局
                               北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)を最後に2005年に自主退職。2007年から現職に。「すべての日本人に“情報リテラシー ”を!」という思いのもと、情
                               報リテラシー教育を多方面に展開。自ら調査・分析レポートを執筆すると共に、国内大手企業等に対するグローバル人財研修事業を全国で行う。最新刊
                               は5月19日発売の『世界史を動かす日本──これからの5年を迎えるために本当に知るべきこと』(徳間書店)。同書の刊行記念講演会も東京(5月31日)、
                       大阪(6月1日)で予定。 www.haradatakeo.com/pub_event
未来から今を見る
過去から今を考える
原田武夫

Photo Satoru Seki Text Junko Chiba
「これから先5年で、世界と日本の情勢は大きく変わります」と原田武夫氏。その情勢によってマーケットは乱高下を繰り返すという。大事なのは「未来から今を見る」視点を持ち、先を見通して考え、行動すること。目先の出来事にアジャストしていくような資産運用では立ち行かない。日本は、世界はどう動くのか、金融商品は個別にどんな乱高下を見せるのか、その中で富裕層はどんな役割を担うのか……原田氏がそのアウトラインを開陳する。
今年の幕開けと同時に、「日本は世界から見放されたのではないか」という疑念が広がった。実際、日本株は1月の終わりから2月の頭に突如下落し、それに中国のデフォルト危機やアルゼンチン・ペソの暴落、ウクライナの騒動などが追い打ちをかけ、「日本売りが始まる」と思った人は多い。しかし、そんなことはない。冷静に分析すれば、それはリーマンショックの時に大量に日本株を買った外国人がようやく手放せたということ。一方で、日本株が大量購入されている現実もある。目先の現象で判断し、振り回されても疲れるだけ。やめたほうがいい。
 一つ確実に言えるのは、4~9月のフェーズは、世界全体が「債券から株式へ」という大きな潮流の中にあることだ。クリミア半島のロシア編入に端を発し、スコットランドがイギリスから、さらに先にはカタルーニャがスペインから分離独立の住民投票を行うなど、ヨーロッパは分裂に動き始めている。実は、ヨーロッパを皮切りに世界はデフレに向かっており、その中で債券は非常に危険なのだ。
 このように、先半年を予測しただけで、各金融マーケットの変数要素はてんこ盛り。現象が起きてからあわてるのではなく、ここ5年の見通しを立てて、何が起きても受け入れられる構えを整え、かつ先手、先手を考えて運用することが求められる。投資対象が何であれ、とにかく「乱高下の中で、下がったらその都度と買う」が鉄則である。
 また、見通しを立てる際のポイントは、「未来を知るために過去を知る」こと。とりわけ今の状況は、1970年前後と、90年前後に起きたことと重なる。オイルショック、北海油田、イランが悪者になった中東戦争、アメリカの小型偵察艇が北朝鮮に拿捕されたプエブロ号事件などを彷ほう彿ふつとする様相を呈している。当時の国際政治とマーケットの動きを想起すると、おのずと見えてくるものがあるはずだ。
 では、騒動続きの5年を経た後、マネーゲームはどう進むのか。これまでの勝ちパターンは、アメリカが大量にドルを発行する中、それにうまく乗るのが鉄則だった。けれども来春以降は、アメリカから資本の逃避が始まり、欧州では分裂騒ぎが続き、87年のブラックマンデーと同じような状況になりそうだ。そして結果として、日本円・日本株・日本国債が安全だと世界のお金が日本に流入する可能性がかなり高い。マネーが入り込んでも使わず貯め込む国・日本は消極的に選ばれる。もちろん、税収を増やすような新技術のイノベーションに失敗するとか、日米が同時破産する、富士山の大噴火や南海トラフなど、不安要素もあるが、もろもろの可能性を視野に入れて考え、行動する。それがこれからの日本をリードする富裕層の役割でもある。だからこそ、あらゆる状況を受け入れられるだけの健康な体と平穏な心を養うことにも心を砕いていただきたい。

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